履修授業について

今回は2019年秋学期に履修した授業について記述しようと思います。

 

ハーバードのデザイン・エンジニアリングプログラムでは、2つの必修科目に加えて2つの選択科目を履修することになっております。

必修科目は、社会課題を解決するための思考方法について学ぶフレームワークの授業とそれを実際の社会課題に活用して体得することを目指すスタジオの授業に分かれます。

課題解決の思考方法の中でも二つの柱となっているのがいわゆるデザイン思考とシステム思考となります。

デザイン思考はあるプロダクトに関して利用者の不満などの指摘を把握した上で、それらの解決方法をグループで意見を出し合って集約していき、グループでプロトタイプを作成して早い段階で利用者のフィードバックを貰いながら改善していく思考方法(というよりは方法論)になります。

システム思考は個人的にはこれと補完関係にあると思っております。現代社会のようなVUCA(Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ))の環境下では、意図しない変化が起こり欲しかったものと真逆の効果を生み出すことがあるため、複雑に絡み合った状態を出来る限り網羅的に把握するための思考法がシステム思考となります。授業中ではユニセフも計画に携わったサブサハラアフリカで設置された子供の遊び心を活用した水汲み井戸である「PlayPump」に関して紹介されました。PlayPumpは子供が遊びたくなるような遊具と水汲み井戸を組み合わせることで、子供が遊ぶだけで貯水槽に水が溜まるためこの地域の女性の負担を一時的に減らすことに成功しました。他方で、通常の井戸よりもメンテナンス費用が高いことに対する対策であった広告収入が意図したほど得られなかったことや、子供が飽きてしまったこと、女性が一人で動かすには大変な構造であったため、結果的に問題を悪化させることとなりました。ステークホルダーが少ない地域でさえ、このような結果となるため不安定かつ不透明で変動が大きい昨今の社会環境では出来うる限り問題を網羅的に把握して(バタフライ効果の発生は防ぎきれないにしても)失敗の可能性を下げることが肝要となります。

そしてスタジオクラスの方では、これらを活用しつつ、プロトタイプを作るためのプログラミングやデータビジュアライゼーションを学んでおります。

 

選択科目としては、コミュニケーション学とデザイン学(スケッチ)を選択しました。理由についてはまた別の記事でも深掘りしようと思いますが、個人的にハードスキルの授業は本で読むことで代替できる上にコモディティ化しやすいため、他者から教えてもらわないと身に付けることが難しいソフトスキルの授業を取ろうと思いました。その中でも曲がりなりにもデザイン大学院に含まれるプログラムであるため、自分が苦手とするデザインについて一切触れないまま卒業するよりも今後重要になりうるであろう右脳的な分野(音楽、芸術など)と左脳的な分野(論理的な思考を要するものなど)の両方を組み合わせることができ、両分野の人の橋渡しとなるような人材になりたいと思い選択しました。

予想以上にこの選択は正解だったと今の段階で思っております。ファイナンスなどと違い、コミュニケーションやデザインは日常的に触れることが多いため、機会があるたびに授業の内容を反芻することができております。例えばコミュニケーションであれば、1:パトス、エトス、ロゴス、2:問題のフレーミング、3:エビデンスが重要であると言われましたが、様々な動画や論文を見るたびに問題のフレーミングがどのようになっており、なぜ効果的な主張であると感じられるのかが把握しやすくなりました。またデザインであれば、どのようにスケッチで何を表現するのかを考えて、それを実際に描写することによって、絵画などを見ていても以前ならば見落としていたような微細な点が把握できるようになり、それが如何に絵全体に対して影響を与えているのかがある程度わかってくるようになりました。日常生活を過ごしているだけで、今まで網い目のザルに何かを入れるように素通りしていたような経験が、知識が増えて網の目が細かくなってくることによって同じ経験をしていても経験値が増やすことができます。

 

概して必修も含めて授業は将来に直結していると感じており、内容としても非常に面白く、課題は英文で毎週数百ページ以上の読書に加えてスケッチ、プログラミングなどをする必要があるものの、全く苦にならないです。暇がないくらい授業で埋めたいくらいであり、土日が休みであることが残念に思えるのは人生で初めての経験です。

学期末になるほど余裕がなくなり、そのように感じられなくなるかもしれないですが、そうならないように着々と学んだことを身につけて頑張っていこうと思います。

GRE対策について

米国大学院受験を検討されている方にとって、プログラムにより多少提出する書類は違えど、概ね下記3点が重要になるかと思われます。

 

・エッセイ

・推薦状

・テストスコア:GREビジネススクールの場合はGMAT)、TOEFL

※デザインスクールではこれらに加えてポートフォリオを求められる場合が多いです。

 

今回はこのうちGREについて記載していこうと思います。

 

GREについては日本人は皆低いので見られていないと噂されていたり、そもそも学業成績との相関性が低いので大学側も重視していないと言われていたりと、重要性については様々な意見があります。

もちろん私から見ても同じテストならばTOEFLの方が重要度は高いと思うものの、ネガティブチェックの意味合いが強いTOEFLに対して、GREは高ければ高いほどアピールになるので、蔑ろにせずキチンと対策しておくのが最終的に良い結果に結ぶと感じています。

また米国の場合、米国内で最もメジャーな大学ランキングを発行しているUS Newsにおけるランキング基準の構成要素の中にGREの平均点があります。MBAにおけるGMATほど比重は高くないですが、TOEFLで英語力があることを証明でき、エッセイや推薦状から見受けられる能力が同程度の場合は、GREが高い方が選ばれるかと思います。特に日系企業の場合は就職してから数年は下働きが多く、ただでさえアピールポイントが少ない中で、武器になりうるものの一つであるGREを捨てるのはもったいないです。

 

GREのVerbalは問題文も質問文も見たことない単語ばかりで諦めてしまいがちですが、留学準備の中でも最も努力が報われるもののうちの一つだと振り返ってみて思います。

私自身、最初の受験ではVerbal149, Quantitative163, Writing3.5でしたが、最終的にはVerbal164, Quantitative169, Writing 4.0にあげることができたので、諦めずに頑張りましょう。

 

Quantitativeについては高校で学んだ知識があれば、英単語さえ覚えた上で問題集を何回か解けば対策はできるので、以下ではVerbalについて幾つか対策のポイントをまとめます。

1:単語力

GRE Verbalの対策は単語に始まり単語で終わります。

使いもしない単語を覚えさせられると言われることも多いですが、私自身はGREで覚えた単語はThe EconomistNew York Timesなどの雑誌で頻繁に出てくるので覚えていて全く損ではなかったと思います。

さて、単語力ですが私はiKnowを使いました。元々入っているGRE対策の単語帳のみならず自作で単語帳を作ることができて非常に便利であるためオススメです。

私はGRE対策の単語帳を全て終えたあと、The Economistを暇な時に読んで、分からなかった単語はすべからく自作単語帳に入れていきました。

個人的にはThe Economistは記事も面白く、使われる単語がGREに出てくるものも多いので購読料は高いですがこちらも有用です。

あとはひたすら毎日The EconomistやNYTを読みつつ、iKnowをやり続けるという作業を続けるだけです。。

後日の記事で詳しく書きますが、単語力はTOEFLの全セクション得点力にも繋がるので、非常に地味で、かつ長期の対策になりますが、毎日する歯磨きのような感覚で習慣化してしまいましょう。

 

2:時間的・資金的に可能な場合は上限(5回)まで受験する

GREは130-170の点数レンジに対して、問題数が40問となっており、概ね1問あたり1点分となっております。そして大体の受験生は150-165あたりに固まっている(実感(あとで確認して補足・修正しておきます))ので僅か1点でPercentileが2%ほど変わってきます。そして、単語力は上がっているはずなのに、たまたま覚えていない単語が多く出たため点数が低くなったり、Verbalの出来が良い時に限ってQuantitativeやWritingが低かったりします。GREはGMATと違い、一番良いスコアを選んで提出することができるため、可能な範囲で多く受けて最も良いポートフォリオのスコアで提出するのが良いと思います。

 

長くなってしまったので、続きは後日記載しようと思います。